いま、コレを考えています

日々の生活を本や映画と絡めて

石田衣良さんの『チッチと子』が温かくて胸がじんわり

恋愛小説が苦手なせいか石田衣良さんの作品はあまり読んだことがなかったのですが、今回縁あって1冊の本を手に取ることに。

 

チッチと子(新潮文庫)

チッチと子(新潮文庫)

 

 

主人公は、妻を交通事故で亡くし、息子と二人暮らしで作家の青田耕平。デビュー以来、次に「くる」といわれ10年。なかなか本が売れず、スランプに陥ってしまう。ところが、亡き妻の話を書いた小説が文学賞候補になり、生活にちょっとした変化がーー。

息子のカケルくんの幼さもありつつ、父親を見守る様子や大人顔負けの機転の利かせ方が、心をホッとさせます。

スランプに陥いる父親をカケルくんが心配し、耕平さんが決意を新たにするときのコトバに私も不安になることがあるけど、選んだからには前に進もうと思いました。

書くことは一生の仕事と決めたライフワークではなかっただろうか。この子のためにも、自分のためにも、たとえ才能などひとかけらもなくても、続けなければいけない。自分から小説を引いたら、なにも残らないではないか。同業の誰かを嫉妬したり、自分を哀れんでいる時間があるなら、一行でも前へ前進すればよかったのだ。

悩んで何かのせいにするのではなく、少しでもいいから一歩を踏み出していこう。