読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いま、コレを考えています

日々の生活を本や映画と絡めて

別れた相手との思い出を消せるといわれたら、どうするか

カフェや公園、美術館、近所の道―ー。
2人で過ごした時間が長ければ長いほど、一緒に行った場所が多くあります。

そこに行くと、ぼんやりと思い出す当時の情景やそのときに抱いていた感情。たとえ過ごした時間が短い相手でも、大きく感情が揺さぶられた相手と行ったところであれば、同じようにさまざまなことが呼び起されます。

時おり、そうした過去の出来事をすべて抹消できたらいいのにと考えてしまうことがあります。楽しかった思い出は、今となっては物悲しい思い出でもあるからかもしれません。

 恋人同士だったジョエルとクレメンタインは、ある日大きなケンカをして別れてしまう。ジョエルはクレメンタインと仲直りしようと思い、彼女の働く本屋を訪ねたところ、クレメンタインの態度はそっけない。実は、クレメンタインはジョエルとの記憶を消去していた。その事実を知ったジョエルも彼女との記憶を除去しようと思い、ラクーナ社を訪れる。

 

ジョエルは記憶を消去されながら、記憶の中で「消さないでくれ」と、施術をしている医師に訴えます。しかし、医師にはその声は聞こえません。抵抗むなしく、二人で過ごした思い出は消えてしまいました。

たとえ別れの直前にこじれたとしても、そこに至るまでにはさまざまな感情の積み重ねがあり、幸せなこともたくさんありました。思い出して感傷的な気持ちになるのを避けたいので、そうした思い出を消したいという気持ちもあります。でも結局は、どんなに忘れたいことがあっても、それを受け止め、そのうえで次のステップに進む必要があるのだということなのだと思います。

映画のラストシーン、そしてエンディングで流れる曲の歌詞も、そうしたメッセージを投げかけていると感じました。


一緒に過ごした記憶を消したいと思う相手。そう問われて思い出す相手は、自分にとっていまなお特別な相手なのかもしれません。