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『生殖医療の衝撃』を読んで、性別の複雑さを知ったハナシ

今現在、自然な妊娠によって子どもができづらい場合、どんな選択肢があるのかと思い、手にとった『生殖医療の衝撃』。

 

生殖医療の衝撃 (講談社現代新書)

生殖医療の衝撃 (講談社現代新書)

 

体外受精卵子精子を振りかけ、授精することを待つもの。

顕微授精は精子卵子のなかに直接注入するもの。

これらの技術がどのように発展し、普及してきたのかに触れるとともに、精子バンクや卵子バンクの実情についても触れています。

中でも私が一番興味を覚えたのが、受精後、私たちはいかにして「女」と「男」の性別になるのかということ。そんなの見た目ですぐわかるでしょと思いがち。でも、必ずしも心と体の性別が一致していないということもあります。

本書によれば「性別」と一言で言っても、4つの分類があります。

●遺伝的性別

遺伝子(DNA)や染色体(46,XX、46XYなど)による性別

●性腺の性別

性腺として、卵巣を持つか、精巣を持つか

●みかけの性別

外陰部、外性器、内性器が、女性型か男性型か

●こころの性別

みずからの性別をどのように認識するか(アイデンティティ

私はこの本を読んで初めて知ったのですが、見た目が女性で、染色体検査をしたところ男性だったという事例が載っていました。これは体が男性ホルモンに正常に反応しなかったため、ペニスなどの男性外性器が形成されなかったそう。つまり、遺伝的性別は男性だけど、みかけの性別は女性ということもあるのだとか。この事例を考えると、みかけの性別ってかなり曖昧なことに。

当たり前と思っていることも実は当たり前じゃない。その視点に気づかされる一冊でした。

もう一つ、読んでいで初めて知ったのが以下。備忘録として。

体外受精に用いられる「卵子」は、子宮の持ち主の「卵子」である必要はない。通常、ヒトの免疫系は「非自己」の細胞を認識して、それを排除する機能を持っているが、生殖にはそうした免疫機能が働かない。なぜなら、生まれてくるこども自体がそもそも「非自己」であるからだ。受精卵を「非自己」として免疫系が排除していたら、妊娠・出産自体が成立しなくなる。