いま、コレを考えています

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旅行で「見逃せない」トコロだけを見るのはもったいない

新しく行く旅行先や観光地では、どうしても見るものになるのはガイドブックなどに載っている外せない箇所ばかり。私は旅行が好きですが、結構それだけ見て満足してしまっている部分もあります。最近はinstagramで地名を入れて検索して、それでヒットした写真から「これ見てみよう」と決めることもありますが。

そんな旅行スタイルに反発するかのような旅行エッセイが宮田珠己さんの『日本全国津々うりゃうりゃ』。

 

日本全国津々うりゃうりゃ (幻冬舎文庫)
 

 宮田さんは旅とレジャーのエッセイを中心に執筆されている方ですが、その文体はゆるくてかなり独特。観光地に行ってもメジャーなものはあえて外し、自分の好きなもの(海の生物や大仏)を追求。水曜どうでしょうのエッセイ版のようなイメージが近いかもしれません。

このなかで日光東照宮へクラゲの彫刻を見にいくのですが、その情報は明治時代に日本を訪れたフランス人作家ピエール・ロチの『秋の日本』で書かれていたから。本当にそんなのあるの? と疑問に思うし、私が見た過去のガイドブックでクラゲがいるなんてことも書かれていなかったような。その真偽を確かめるべく宮田さんは日光東照宮へ行くわけですが、初日に見たときは見つからないわけです。ここに「見逃せない」の洗脳が……。

ガイドブックを見ると、東照宮では、陽明門、《三猿》、《眠り猫》、《鳴龍》などが「見逃せません」ということになっている。しかし、「見逃せません」には気をつけないといけない。なぜなら、「見逃せません」以外のものを見逃すからだ。「見逃せません」さえ押さえておけば、あとはざっと見ればいいと思ってしまうのである。

出典: 『日本全国津々うりゃうりゃ』

そう、まさにこれで! それだけ押さえればいいかとなってしまい、それを見ると全部知ったような気になってしまうのですよね……。それもそれで一つの旅の楽しみ方ではあると思うのですが、すでにいろんなところで見聞きしているから、新しい発見に乏しい。ときには、そうしたものではなく、別の箇所に目を向ける必要があるのかもと思わされた内容でした。

それにしても、日光東照宮にクラゲをはじめとするタコやヒトデなどの海の生物の彫刻が彫られていることには驚きました。